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★新年初客―彦根城博物館

  • iimuseum
  • 2017年1月10日
  • 読了時間: 2分

【写真】 向かって右奥:竹内氏(彦根城博物館副館長兼管理課長)、左手前:渡辺氏(彦根城博物館学芸史料課長)

彦根城博物館の学芸員のあるものが、第三者の論文の著作者名を意識的に省いて記さないなどという事があって要注意の旨つげてくれた。当方も念のため彦根城博に預託してある副本あるいは調査資料の利用状況を調べたら、果して同人論文中に当方史料を用いながら出典所蔵を略しているものが発見された。元来発表誌は参考史料所蔵方には進呈する筈のものであるが、その学芸員は存ぜぬを幸いの知らぬ顔をしていたわけであった。この学芸員は以前にも当方資料の取り扱いに不備があり、上司の渡辺恒一氏が誠意をもって卆先して詫びにみえたことで、それ以上は不問にした。ところが再びまた―である。

 今回は彦根城博物館副館長で文化財部副参事の竹内清司氏と、同博物館史料課長の渡辺恒一氏の両人が詫びを兼ね釈明にみえた。私方と彦根城博物館とは共に「井伊家」の家名を戴く歴史的縁者であり、不離の関係、仲は悪くない間柄である。ことにかつて館長の任にあった井伊岳夫氏や前記の渡辺氏とは史的交流が深い。そんな間柄も心得ない不心得な学芸員がいることは実に遺憾である。今回も本人の詫び状と両氏の迅速な釈明があったので、このことはこれ以上書かぬことにしたい。しかし「いやな思いをおかけした」というような軽いものではない。その行為は学者としての常識と品格に欠けるものである。猛省を促したい。

 ところで渡辺氏や竹内氏は本年当館訪問の「栄誉」ある第一客となられた。前記の話だけではいかにもキョクがない。「先日記者会見の史料が拝見できれば」「勿論見て下さい。」となって渡辺氏が熟覧。もちろん全十二冊中、問題の井伊次郎は今川より派遣された人物で、新野左馬助の甥であった、そして井伊谷面々持ちでおさまらなかった云々あたりの一冊だけであるが、

「大変上質の写本であることたしかに確認させてもらいました」と今更ながら笑みをうかべた。渡辺氏位のプロになると、冊子を一枚めくっただけで、その墨色や字形がいつのものか即断できる筈なのである。こちらも成行きの結果はじめからわかっている。だからどうだ、恐れ入ったか―などというようなヤボな表情はしない。以心伝心、目と目で了解である。

「もとが木俣守安やからネ」「真田丸に一番駈けの武将や」「浄書をしたのは五代目の学者家老木俣守貞」

「こんなものをゆっくり読めたらナァ」「理想やね」

(イイネ)(イイダロウナ)…

むかしの洋酒の寿屋、トリスの広告文のような具合になってしまった…

開高健さんはいずくに!!

 
 
 

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