令和二年特別展「明智光秀とその周辺」基調随論

​明智光秀の光と影

井伊達夫

                        s

                                         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈明智三尊仏〉

〈1〉

 

 

 近頃、来年の大河ドラマに備えてか、明智光秀に関する資料の取材が増えてきた。そして必ず訊ねられることは光秀はなぜ謀反したかということである。

 

 真実のところは、光秀本人以外にはわからない。後代の我々はのこされたもろもろの史書類の内から良質な史料を選び出し、それによって光秀の心中を忖度し、その行動の事実を考えるしかないのである。

 しかし、その選択と考証は容易でない。良質な資料となると、実は数は極めて少ないのである。今後、光秀紹介本が俄かにふえることになろうが、信用できない俗書を史料的に援用した興味本位の伝記類が氾濫しないことを願いたいものである。

 

 光秀が古典的教養人であることは既によく知られている。戦国武人中有数のインテリであり、そのゆえに信長に重く用いられてきた。その上に武将としても一流の才智を具えていたことは、かれの南丹経略をはじめとする戦歴をみれば瞭然としてくる。

 

 織田家中有数の宿老としての地位は我々から見ればゆるがない約束されたものだとも思えるのだが、それは甘すぎる将来観である。信長の家中には功成り名遂げた末の御隠居など一人もいない。織田家における戦国の現実は、大変に厳しいものであった。

  

© 2019 井伊美術館 All rights reserved

京都市東山区花見小路四条下ル4丁目小松町564  TEL 075-525-3921  FAX 075-531-5121

 

C)井伊美術館
当サイトにおけるすべての写真・文章等の著作権・版権は井伊美術館に属します。コピーなどの無断複製は著作権法上での例外を除き禁じられています。本サイトのコンテンツを代行業者などの第三者に依頼して複製することは、たとえ個人や家庭内での利用であっても著作権法上認められていません。
*当サイト内において、「館蔵品」と明記されている資料以外は外部からの調査預託品です。
 預託品の写真類掲載についても、その処置を当館が一括委任されています。
 無断で使用・転載することを禁止します
*当サイト上における当館寄託品等の写真を無断で転用し、架空の売買に利用する人がいるようです。
 インターネットを介した取引の際には十分御注意下さい。
*動作環境、スマートフォン及び携帯電話からの閲覧ではレイアウトが崩れる場合があります。

◆おしらせ
・甲冑武具関係歴史文書史料類考証鑑定致します。

  くわしくは当館までお尋ね下さい。

 (場合によってはお受けできないことがあります。)
・当館では手紙・文書・メールによる一方的な質問等にはお答えできませんので
 宜しく御了承下さい。